隠れて…ふたり暗がりで…
ハワイアンニット帽がやたらと多い
雑貨屋でバイトを始めて
半年が過ぎた
今月の売り上げが目標を越えたと
閉店後にオーナーが来た
オーナーと会うのは初めてで…
ハンチングが似合うお爺さんでした…
そのお爺さんが…
いや…
オーナーが売り上げ達成のご褒美で
炉端焼き屋さんに連れてってくる事になった
次のシフト明けにバイト仲間と待ち合わせてから
オーナーと奥様方と待ち合わせした
私以外はすべてオトナな集まりで
何を話しているか?よくわからなかった…
そんな私の反応が楽しいらしくて
みんなが私を子供扱いして…
それが盛り上がり出して…
さらに度を越えて行き…
私は少しずつ腹をたて始めた…
奥様方がそんな私に気づいて…
話題を変えてきた…
話題が変わっても何か悲しくて…
暫くして…電話するふりして…
店の外へ出た…
外は雪がチラチラしていた
さらに気持ちはブルーへと加速した…
もういいや…このまま…
挨拶もしないで帰ろ…
そう思って繁華をバス停へと歩き出した…
バス停でもう帰るダイヤが無いことを知った…
本当に最悪な気持ちなってきた…
お姉ちゃんに電話して向かいに来てもらお!
それしか無い!
そう姉に電話すると…
今日は彼が初めて実家に連れてきてくれたのと…
声が何時もになく嬉しそうで…
どうしたの?と聞かれて…
また間違いだよ!邪魔してごめんね!
そう言って電話を切った…
今日はホントに最悪…
雪は冷たいし…
世の中は社会は…もっと冷たい…
あぁ泣きたい……
そんな時だった…
バス停の前の閉店後のパン屋さんから…
優しい声がした…
その声は私の方へ近づいてきた…
あのね…
お姉さん…大丈夫?ですか?
高校生らしき男の子が私にパンをくれた!
このままして家に帰ったら
きっとお姉さんの事を思い出して…
また店に戻りそうだからさ…
声かけたよ!
大丈夫?
このパンは売れ残りだからさ…
廃棄されちゃうの
だからさ遠慮しないでいいよ!
まずくはないから……
俺の汗と時給と結晶だからね(笑)
揚げたチョコパンをくれた…
私は…暗がりで彼へ…
彼は…
10/28/2023, 1:36:26 PM