NoName,

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ちょうど1年前の今日、僕は生まれてはじめての告白で撃沈した。
断られた挙げ句、いくつかのダメ出しもくらった。
他の女の子だったら1年後にもう1度告るなんて思わなかっただろう。
でも僕はこの日のために精一杯努力した。

何故か。
それは僕らが小学2年生の頃だ。僕がクラスメイトに受けていた嫌がらせを、やめさせるきっかけを彼女が作ってくれたんだ。「嫌なことは嫌だってちゃんと言わなきゃ、ダメだよ。」
それから僕が頑張って嫌だと言うようになると嫌がらせは少しずつおさまっていった。ぼくがいつもニコニコしているから、ぼくが嫌だって思っているとは、そいつらは思ってなかったのだった。そのすぐ後、彼女は転校した。

そんな勇気と救いだった彼女が、再び僕の前に現れた。すぐに彼女だとわかった。
変わらず可愛くて格好いい女の子だった。
僕は他の男にとられたくないと焦ってしまった。
自分の焦りという都合だけで告白したのだから、伝わるわけがなかったし、彼女にしてみれば、僕のことなんて覚えてるはずがなかったんだ。

だから僕は1年後を目標に毎日身なりを整え、勉強にも水泳部にも打ち込んだ。成績も少し上がって体にも筋肉もついてきたと同時に、自分に自信が持てて背筋を伸ばして歩くようになっていた。
彼女にふさわしい男になっただろうか。
その間にも彼女は何人かの男に告られたらしく、その噂を聞くたびに焦りが蘇ってきたけど我慢して自分を磨いた。

そして今日、彼女を再び呼び出そうとした矢先、彼女の友達が僕を呼び出しに来た。
え?どういうことだ?何だろう。何かしたか?
動揺を隠せないまま、僕は呼び出された場所に向かった。


お題「1年前」

6/16/2024, 11:05:40 AM