carat

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ずっと君を待っている。
遠くにいる、ここからじゃ見えないあの街の君を。
雨でも雪でも強風でも。

「莉夏、」そう呼ばれたのはもう4年前。
(また来るね。会いに行くね。)そう言われたから街も家も変えず、君がわかるように待ち続けたのに、、
なのに何で、、自分のせいで
快晴の下、届いたのは一通の知らせ。
東京から新潟へ帰る日に、君は友達に(あの子のところへ帰る)そう言って新幹線に乗った。
どうして、君じゃなきゃいけなかったの。不幸な事に彼が乗っていた号車でテロが起きた。小さな子供を庇って別の街へ逝ってしまった君。


本当、昔から変わらないよね。そういうところ。
自分を犠牲にしてでも他の人の笑顔を守る。

君が帰ってきたら思いを伝えるつもりだったんだよ、
莉夏。

いつの間にか、莉夏を思い出してくれる暖かな存在になっていた快晴の下で僕は告げた


「大好きだよ。」



【快晴の下、君を待つ】

4/13/2024, 9:12:06 PM