たまにサボる書き手

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好きな色

人にはそれぞれ好きな「色」がある
だが私には無い、世界が灰色に見えるのだ。
原因が何なのかは医者でもわかっていない、非現実的だと思うかもしれないが本当に灰色なのである。
小学、中学と嘘をつくなと虐められていたが事実を伝えていた。
美術で絵を描く授業があった時も友達に
「色、変じゃない?」と聞かれてしまう始末だった
そんなある日いつも昼食を一緒にとっていた友達が委員会の話し合いで一緒に食べれないと謝ってきたので私は大丈夫だよとだけ言い頷き友達とわかれ中庭へ向かった
いつものベンチへ歩いていくと今日は先客がいたようで、引き返そうとしたがその瞬間に
「座りなよ、別のとこ行くのめんどくさいでしょ」と
目の前で微笑む彼の言葉に甘え隣に座った。
弁当箱を開け「いただきます。」と言い食べ始めると横から視線を感じた。
隣を見ればそこには目を輝かせながらこちらを見る彼がいた、私は咄嗟に
「食べますか?」そう聞いた
すると彼が更に目を輝かせいいの!?なんて言うものだから笑いながら唐揚げを差し出した。
「めっちゃ美味いよこれ!店出せる!」と毎日弁当を自分で作っていた私にとって凄く嬉しい言葉をかけてもらったので調子に乗ってエビフライもあげてしまったが美味しい!と良いリアクションをくれるので後悔はしていない。
一緒に楽しい時間を過ごしたあと、授業の準備をしようと立ち上がれば彼も立ち上がり
「また一緒に食べようよ、明日にでも」と次の約束を取り付けてくれた。
正直彼と話すのはとても心地が良いし凄く喜んでくれたので「次は先輩の分もお弁当作ってきますね。」と言えば嬉しそうに微笑んだ、その顔を見て私は恋に落ちたと同時に色が認識できるようになった。
あぁ、これが皆の言う[運命の相手なのか]と私も彼に微笑み返せば彼は顔を赤くした。
明日のお昼が楽しみだな。

6/21/2023, 10:21:21 AM