たくさんの想い出
人間の記憶力というものには限界がある。そこで開発されたのが記憶保管マシン『BOOK』だった。名前の通り、記憶をそのまま一冊の本に抽出する機械だ。
僕の部屋の本棚にも多くのBOOKが並んでいる。「夏休み」や「クリスマス」、「初恋」なんてのもある。こうすれば忘れることはないし、むしろ忘れてしまいたい記憶は捨ててしまえば良い。
ところで——今更知る術などないのだけれど——年代順に並べられたBOOKのうち高校二年生の夏から冬の時期がすっぽりと抜けているのだが、僕に一体何があったのだろう。
11/18/2023, 3:05:54 PM