ハヤカゼ ナギラ

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『……あんた誰?名前は?』

「日高 麗樹 (ひたか れいじゅ)2年1組
 そう言うアンタは?」

『アタシは、
 日出 麗雅杏 (ひでり れいあん)2年4組』

「そう……。まあ…とりあえず座ったら?」

麗樹は、自分が座っている席の隣をポンポンと叩き麗雅杏を呼ぶ。麗樹の髪色は、赤とオレンジ色が混じった髪色ロングヘアーで制服のスカートを短くし着崩している…俗に言うギャルだ。そのギャルが何故、本館離れに建っている今は使われていない別館の大階段裏の暗い所にいるのか?麗雅杏は不思議で仕方がなかった。

此処は、麗樹のお気に入りの場所で普段の授業をサボったりお昼ご飯を食べたり昼寝をするのにもってこいの場所だ。友達が居なく学校嫌いの麗樹にとっては、唯一安心する場所でもある。処がいつものように、お昼ご飯を食べていたらギギっと古い木の扉が軋む音が聞こえ
別館の扉を開けて誰かが入ってきたのだ。
げっ…先生か?苦笑いしながら、コッソリと階段裏から顔を覗かせて正面の開いた扉を見つめた瞬間に、バッチリとカノジョと目が合ってしまった。
普段から、教室に居ない麗樹にとっては顔も名前も分からなかったから、コイツ格好が派手だなー。と、しか考えていなかった。

一方、麗雅杏も同じ事を思っていた。

《今は使われていないが、此処には別館がある。》
そんな話をクラスの女子が話していたのを聞いたことがある。茶髪のボーイッシュ風の髪型に、両耳にジャラジャラとピアスをしてパーカーにミニスカートと着崩している麗雅杏の周りには派手な格好の女子達が寄ってくる。云わば、カーストに表すと三角の天辺の尖がっている部分だな。と、つくづく思う。
その派手な女子の中でも、アタシは格好良いと良く言われる。中性的な顔立ちと身長の高さから言われるんだよ!っと、言われたこともある。
今日も、変わらずアタシの周りの女子は誰が付き合ったとか、デートに何処に行く。とか……そんな話ばかりだ
正直、内心ウンザリとしていた時に別館の話が聞こえてきた。

明日の昼にでも行ってみよう。

次の日の朝、友人に「お昼は用があるから」と、共にランチをしない事を告げた。何か言われるかと思ったが、「おん!わかった」と、アッサリ返事が返ってきた。
お昼になり、アタシは別館へと向かった。
本館から徒歩5分の所にある林の中に建っている木造の古い別館は今は使われていない。
正面扉の鍵も本来なら鍵が付いていて開けられないのだが、何年か前に生徒が壊してしまったらしくそれからは新しく付いていない。先生も放置しているようだ。
こんなので本当に良いのか?アタシは苦笑いしながら正面の扉を開けた。ギギッと軋む音を立て室内へと入る。
中も木造造りで確かに古い。だが、中は外の明かりが窓から入り電気を付けなくても明るい。
アタシの目の前にある大階段も造りが立派だ

…なんて呑気に眺めていたけれど、先程から誰かの視線を感じる。ふいに視線をずらしてみると誰か居る?
アタシは、何も考えずにその人の方へと足を運んだ。
そして、階段下に居た彼女と初めて会話をしたのだ。

それが、麗樹と麗雅杏の出会いであり
麗樹にとっては、初めて生涯の友になる麗雅杏との出会いの場所となった。

1/3/2026, 11:15:14 AM