「向かい合わせ」
きみと向かい合わせに座るとき、いつもとても緊張する。
そんなに大きいわけでもないきみの目をひとたび見ると、視線を外してもいいのか外さない方がいいのかわからなくて、結果まばたきもせずに見つめ合うことになり、頭がぐるぐるしてくる。多分、ライバル同士が睨み合うときみたいに火花がとんでる。
でもふと気づくと、なんだかきみの動きもぎこちない気がして少し安心する。
わたしが落ちてきたサイドの髪の毛をかきあげると、きみも自分の髪を触る。きみがストローの入っていた長細い紙袋を丁寧に蛇腹状に畳み出すと、わたしも自分のあけたストローの袋をつい目で探してしまう。
ぎこちなさを残しながらも、きらいではないという気持ちが伝わってくるから、やぶさかではない時間。
いつか、ぎこちなくなく向かい合わせになれたらいいね。
8/26/2024, 3:56:19 AM