昔の記憶、それも何かの朗報を待つときの、私の眼前に広がる景色に決まって枯葉はなかった。
たいていは昼間、しかも移動中の車や部屋の中。
親との会話、あるいはつけっぱなしのテレビの雑音のなかで、心臓がドコンドコンと私の身体を叩くのを聴きながら。その時の木々の葉は緑だったように思う。
新しい何かが始まる期待。
反対に、何かがスッパリと終わりを迎えるあっけなさ。
そこには生物のエネルギーがうごめいているように思う。
緑はその象徴の色、つまり生きている証。
枯葉には朗報の思い出がない。
そこに生命の存在が感じられないわけではない。
どちらかというと「静止」、すべての時間が止まっている状態を思わせる。
枯れ葉
落ち葉
彼
受験
別れ
焼きいも
身支度
飛行機
空白
休み
雨
なんでもない日
2/20/2024, 3:58:46 AM