曇天模様の夕方5時。本来なら今日も休日のはずだったのに、勤務先で一人ぼやいていると携帯電話が鳴った。僕は電話内容を確認するとすぐに席を立った。訝しがる同僚に振り返りもせず、家が燃えているらしい、とだけ告げて会社を後にした。この時間の家には妻がいる。妻の安否が心配だ。僕は足早に地下鉄へと向かった。着いた最寄駅から見た空にはドス黒い煙が上がっていた。その煙の原因は…
8/19/2024, 10:16:42 AM