柳絮

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もしもタイムマシンがあったなら


「生まれた私を殺しに行きたい」
夜景を背にした彼女は、そう言って笑った。
何でそんなことを言うんだとか、それは今自殺するのと何が違うのかとか、そうしたときに今の君はどうなるのかとか、いろいろ言いたいことはあったけど、全部飲み込んで、代わりに違うことを口にした。
「いつ生まれたの?」
「2006年1月22日」
「ふうん、1月22日ね」
彼女が首を傾げた。
「誕生日、祝ってあげるから楽しみにしてなよ」
「! ……うん」

7/22/2023, 12:13:02 PM