Noa*

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【冬休み】

肌を刺すような寒さの中、星空を見上げる。
彼は今、なにをしてるだろう。
冬休みになってから考えているのはそればかりだ。
スマホはメッセージアプリの彼とのトーク画面を表示している。
さっきから私はずっと同じことを繰り返している。
『こんばんは』と入力して、送信出来ずに消去。
また『今なにしてるの?』なんて入力して、やっぱり消去。

「うぅ、どうしよ」

頭を冷やしたくてベランダに出てみたけど、ただ寒いだけ。
むしろ彼がこの寒さで風邪を引かないか心配してしまう始末だ。

「はぁ……私、きもいな」

ため息は白く空気に消える。
一緒に私のうじうじした心も空へと消えてくれないだろうか。
ぼうっと星を眺めていると、ふと手の中でスマホが震えた。

「……え?」

表示されているのは彼の名前。
それから『良かったら一緒に初詣行かない?』というメッセージ。

「へ、返事っ!行くって返事しなきゃ!」

さっきまで冷えていたはずの身体はあっという間にポカポカになった。
すぐさま返信を送る私の顔が真っ赤なのは、寒さのせいだけじゃない。

12/28/2023, 5:46:06 PM