心が舞い上がるようだった。
隣の君が、僕に興味津々なんだ。
話しかけてくれて。僕にプレゼントもくれて。
僕と君の距離はどんどん縮まった。
一緒に勉強、一緒にカラオケ、一緒にカフェ。
僕の心は有頂天。
もしかして君は僕のことが好き?なんて考えちゃって
帰り道にバカみたいに君との将来を妄想してたんだ。
ある日、僕は思った。
「よし、今度あの子に告白しよう!」
そしたら、僕らは晴れて相思相愛だ。
そんなことを考えながらある日君とご飯を食べた。
僕の心はドキドキ、君はそんな僕の気持ちも知らないで、笑顔で炒飯を食べる。
でも僕は少しおかしい。変に君を意識するようになったんだ。
何か話題が出てこない、目を合わせられない。
その日は気まずい空気で、家まで送っていった。
僕は自分に聞いてみた。
「なんで話題がでてこない?」
「なんで気まずくなる?」
次のデートも、学校でも、
話したくて話したくて仕方がないけど、
何故か楽しく話せない。
君の苦笑いもどんどん多くなる。
なぜ?どうして?
距離縮まった分、今ぎくしゃくしてるのが辛い。
でも、このぎくしゃくをどうしたらいいのか。
でもある日、うかれた僕は君に気に入られたくて、
ちょっとした嘘をついた。
それからだ。
君の前で、変に緊張するようになった。
君と話す話題が思いつかなくて、家で考えてくるようになった。
目を合わせたときに
君と話す話題が、出てこなくなって、
君と、目を合わせられないようになって、
気まずくなって、変なことを言ってしまって、
僕の心から泉のように湧き出た言葉は枯れ果てて、
肩に力がギンギンに入ってる、ポンコツロボットになってしまった。
今ならわかる。
気持ちはどんどん遠ざかって。
君といるのも辛くなって。
どうしたらいいのかわからなくなって。
今ならわかる。
そのまま、ぎくしゃくしたままときがたった。
今は、あのときのことがなかったように、
君と僕はしっかりと距離を保って過ごしている。
今は君と過ごす未来はもう抱けない。
ただ、辛い、くるしいきもちだけ。
今ならわかる。
あのとき、あのとき何で俺はデートに誘わなければ良かった。
全部俺の勘違いだった。
でも、過去は変えられない。
12/31/2022, 2:47:52 AM