はるかぜ

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響くのは、容赦のない電子音

朝日が差し込み、今日という世界に目覚める
そんな優しい朝など、久しく、迎えた覚えはない

起きたところで何になる
起きたところで何ができる

いてもいなくても、何も変わりやしないのに

なんて。

たまったもんじゃないと、液晶を叩く

静まり返った部屋のなか
布が擦れる音だけが響く

まだ、まだ、もう少しだけ

諦念と無気力を握りしめて
つかの間の微睡みに身を委ねる

繰り返す。この息が続く限り
何も成せない、この身を引き摺って
それでも世界にしがみつく

きっと、きっと、

きっと、明日も

【きっと明日も】

9/30/2024, 2:52:49 PM