狼星

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テーマ:良いお年を #411

「とうとうこの日がやってきました」
女神は言いました。
僕は女神を見つめる。
「あなたは後悔のない1年を過ごせましたか?」
僕は俯き頭を振る。
まだ僕にはたくさんやることがあった。
途中なものばっかりだ。
そんな女神は少し考えながら言った。
「あなたは今年1年自分のことを
 一生懸命やりましたか? 
 悔いはないですか?」
僕ははっと顔を上げる。
そこには女神の微笑みがあった。
「途中なことがあると思うのなら
 次の年にやればいいのです。
 1年が終わるだけであって
 一生が終わるわけではないのだから」
そして僕の耳に顔を近づけ囁いた。
「途中だと気づけたあなたはそれだけで立派です。
 来年はその失敗を繰り返さなければいい。
 そうやって人間は成長していくものなのです」
クスリと笑った声が聞こえたかと思うと
女神の姿は消えていた。
そして姿は消えたのに
脳裏に語りかけてくる声があった。
『いい忘れていたわ! 良いお年を!』
僕の女神は僕の大切なことを教えてくれる。
しっかりものだけどちょっとおっちょこちょい。
肝心なところが抜けていたりする。
年末の挨拶がしたいと言って僕を呼び出したのに
肝心な挨拶を忘れるなんて。
「良いお年を、女神様」
僕も彼女に言い忘れた。
彼女のおっちょこちょいが僕にもうつったようだ。
女神が舌をペロッと出して
悪戯っぽい顔をしているのを想像すると
仕方がないなぁ、と今年も許してしまうのだ。


※こんばんは。狼星です。
 皆さん、今日までありがとうございましたm(_ _)m
 たくさんの物語を書き続け今日で411 !!
 そんなに書いたんだなぁと驚きです。
    4 1 1
 それに良い1年って感じじゃないですか!?
 今日のお題いいなぁ〜、最後にふさわしいなぁ〜、
 と個人的に思いました。
 さて、最後になりますが、
 応援してくださっていた皆様、
 そうじゃなくても
 狼星の作品をふと目にしていただいた皆様。
 本当に今日までありがとうございましたm(_ _)m
 狼星の作品は最後ですが
 またどこかで皆様にお会いできる日を願って。
 皆様に良い1年が訪れますように。
 良いお年を。
 またね。

12/31/2023, 11:08:42 AM