みあ

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高校生活最初の夏、私は恋に落ちた。でも、諦めていた。こんなことはいつものことだった。だって、私が好きなのは、女の子なのだ。そう、私はいわゆる同性愛者というやつだ。だから、好きになったとしても片思いをして終わり。それに今回好きになったのは、、、
「ん?どうしたの?私の顔に何かついてる?」
「!!べっ、べつについてないですよ〜!!“先生”ったら自意識過剰じゃーん笑」
「うわ、自意識過剰っていわれたー!」
そう、女の先生だった。ね、諦めるしかないでしょ。いつもはしっかりしてて、かっこよくてキックボクシングしてるようなお姉さんなのに、休憩時間とか放課後とかは、可愛く笑って肩組んでくるようなわんちゃん系になるんだよ。もうなにこのギャップ。やられた。

私は聞いた。
「先生って結婚してるのー?」
「(-_-;)これでしてるとおもう?」
「じゃあ彼氏は?」
「ヒミツ♡(^_-)-☆」
「あ、いないんだ。へ〜笑」
「うるさい(●`ε´●)」
正直いって嬉しかったですエヘ(*´ω`*)まあ、これ以上どうなることもないのだけれど。そう、思っていたのだけど。。。

相談にのってもらった日。
二人で書道室にいた。それまで何を話していたかは、緊張で忘れたけれど、恋愛の話になった。先生に聞かれた。
「好きな人いないの?」
「え。」
「好きな人いるの?😏」
なにかに突き動かされ、言った。
「先生が好きです!私、本気で先生が好きなんです!気持ち悪いって思われるかもしれないですけど、私、ずっと、すき、でっ、えっと。。。」
顔に熱が集まるのがわかった。握りしめる手は震えていて、汗でびっしょりだった。
数秒後に先生はゆっくり言った。
「ごめんね。〇〇の気持ちには答えられない。でも、気持ちは嬉しいよ。ありがとう。」
ちょっと困ったような、可愛い笑顔で。
「そう、、、ですよねっ!!あっ、私、迎えが来ちゃったので、これで失礼します!!また明日ね先生〜!!」
無理やり笑顔を作ってできるだけ明るく、溢れそうなしずくは知らないふりをした。

拒絶されてもおかしくなかったんだから、これでいいんだ。仕方ない。先生は、普通だから。仕方ないんだ。これで諦めよう。もう―――

「まって!!」
「!!ど、どうしたんですか?」
「あと、」
「?」
「あと、もうちょっと、あなたが卒業するまでまって。」
「えっ、先生、それって。」
「そういうこと。それだけ!またあしたね!」

嬉しすぎて、必死に我慢していた雫が一気に溢れた。もう、嘘つかなくていいんだ。偽らなくていいんだ。やったぁ、、、やっった!!!!

高校生最初の夏、初めて恋が実った瞬間だった。

オレンジ色に染まった空が私の心を優しく包んだ。

7/13/2022, 5:50:52 AM