メンヘラ予備軍

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「あんね、私未来から来たっちゃん。」
「は、?」
「卒業式当日に事故っちさー、そしたら、神様?が戻るならいつに戻りたい?って聞いてきち、今年の私の誕生日って答えたら過去に戻ったってわけ。」
「いやいや、そんなわけないやん。」
「ちなみに私たち、今日別れっばい。」
「え?」
「私が昨日一緒に帰ろうってお願いしたやん?なんに君が恥ずかしくて一緒に帰ってくれなくて、私から振った。」
「そんなことで?」
「少なくとも私は悲しかったよ。約束破られてさ。」
「なんか、ごめん。」
「しょうがないから許してあげるよ」
「、、、どうしたら、別れないで済む?」
「少なくとも私は君のこと好きやけん、君が私の ことちゃんと好きっていうアピールをするか、ちゃんと私との約束は守るか。」
「恥ずかしいやん、だって、」
「なんばいいよっと。私だって毎回同じこと思ってメールもハグも電話もしよっとたい。あんただけ逃げるとかずるかやろうが。」
「そうなんだ、、、てっきり平気でやってるのかと、、、 」
「そんなわけないやん。
、、、もうひとつ、策があるよ。」
「え、なん?」
「私から別れ話をされても、嫌だって粘ること。私も本当は君のこと大好きやけんね。」
「うん、」
「最後に、好きって言ってくれん?」
「え、なんで、」
「もうすぐ死ぬ予定やし。君にこれ伝えられたから満足したし。」
「え、そんなんさっき教えてもらったの意味ないやん」
「あーそうやね。まぁいいやろ。」
「よくないし!」
「君は、私がおらんでも生きていけるやろ。」
「無理やし!」
「んなわけ。まぁ、そうやったら嬉しいんやけどな。」
「じゃあ、俺も死ぬ。一緒に死ぬ。」
「そげんかこと言わんと。」
「だって、だって!」
「いいよ。しょうがないなぁ、」
「!」
「ただ、どうやって死のうかね。」
「有名なのは飛び降りとか?」
「飛び降り痛そうだしね〜、あ、薬にしよう。それなら苦しくないよ。」
「確かに。」
「そうと決まれば―――」






「ほんとに、死ぬんだ」
「そうだよ。何か思い残したことでも?」
「、、、愛してる」
「なんそれ、笑
未来では一回も言ってくれなかったのにさ。
私も、愛してるよ。」




今日午後4時20分頃、𓏸𓏸県××市の△△さんの自宅にて、男女2名の遺体が発見され、1人は△△さんと見られ、もう1人の男性は△△さんの交際相手とされており、警察は心中としたと見て、捜査を続けています。

テレビの左上には、『5月19日』と、2人の記念日が映されていた。


”あの日に戻れたら”

3/9/2024, 3:37:19 PM