【あいまいな空】
「空って綺麗だね」
君が言った
肌を優しく包み込むような、弛緩した風が吹いていた
それでも愛しているのに、消えてしまいそうな感じ
それ以外は特に覚えていない
彼が何か言った気がする
確か、こう言った
「忘れないでね、忘れてしまったこと」
大丈夫だよ
僕はいつだって君を思い出すから
それまで眠って待っていてね
少し落ち着いたらずっと僕と踊ればいい
茜色と、水色が混ざった空と雲の間で何かが始まった
『愛のレンタル』
6/14/2023, 1:50:22 PM