夏が来るわ、夏が
頬杖をついた窓に吹いた風は少し暑くて
汗ばんでる私の肌を
ひらり撫でてはりついた
どうしてでしょうか
思い出すわ
夏になるとあなたを
私あなたの腕の中の愛を知らない熱帯魚だった
どんなに激しく泳いだって
そこにあるのは涙の海でした
夏が来るわ、夏が
水槽の中漂う魚たちはとても綺麗ね
羽広げた孔雀みたいに輝いては乱反射
どうしてでしょうか
それなのにねとても悲しそうだわ
私なんにも知らなかった
”愛してほしい”そう願いながら
どこへ行けば自由になれるの?
そんな思いで泳ぎ続けていた
「Flowerより『熱帯魚の涙』」
7/1/2021, 12:11:04 PM