汚水 藻野

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あの子に会いたいな。
あの子さズタズタに潰したい。
潰してボロボロになって泣くきみを見たい。
自分より格下だって確信してただろ。
おれが弱いことを知ってただろ。
きみは何も出来なかったと悔やんでるだろ。
おれはきみが嫌い。
きみはどうかな。おれを友達だって呼んでくれたその瞳に嘘は…有っても無くてもどっちでもいい。
おれはきみを好きでもあった。おかしい、ってきみは笑うかな?
自分より格下で、小さくて、オドオドしてて、弱くて、理不尽で、苛ついて、そんなおれが、その辺の弱すぎるNPCのようなおれが!
主人公みたくなんでも持ってるきみに勝つ!
これ最高のシナリオ!
きみもそう思うだろ?
そう思えよ。

君に会いたいな。
君のズタズタな心に寄り添いたい。
寄り添ってボロボロになってる君をさらにボロボロにさせたい。
自分より強くはない。
君が弱さを悩んでいたのは知ってる。
そんなとき自分は何も出来なかった。
自分は君が好きだよ。
君はどうかな?君を友達だって呼んだときの瞳は優しさを含んだ水草のように暖かった。
自分は君を嫌いでもあった。なんで?、って君は言う。
自分とは違う強さ、弱さ、理不尽さ、想い、それら全てを持つと信じた主人公みたいな自分がライバルに勝つ!
王道で最高なシナリオ!
君もそう思うでしょ?
そう思ってよ。

おれが一番強いってことを証明する。

自分が君を否定する。


クリスマス
そんな 冬 になるかもしれない。

_2023.11.17「冬になったら」

11/17/2023, 11:46:35 AM