MISOYAkI

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今年も彼は、雪の降る中せっせと荷物を積んでいく。赤、青、黄色。チェック、水玉、ストライプ。いろんな色の、いろんな模様。
僕は毎年、それを眺めながら心を落ち着かせる。一年に一度の大仕事。日頃の感謝を、今から数時間の間で彼に伝えなければならないのだ。
吐く息が白い。彼が小走りでこちらに向かってくるのが見える。さぁ、みんな、いよいよだよ。
彼は僕らをソリに繋げて、一人一人順番に抱きしめてくれる。
「コメット、キューピッド。まだ慣れないことだらけじゃろうがよろしく頼むよ」
2人はあどけない表情で笑う。
「ドンダーブリッツェン、彼らを支えてあげておくれ」
ドンダーブリッツェンは誇らしげに2人の方を振り向く。
「ヴィクセン、プランサー。君らが要だ、難しい任務じゃが果たしてくれると信じておるぞ」
ヴィクセンはフン、と鼻を鳴らした。きっと緊張気味のプランサーを鼓舞したのだろう。
「ダンサー、君の足の強さはこの国一番じゃ。期待しておるぞ」
ダンサーは瞳を輝かせる。
「ダッシャー」
僕の番だ。
「今年もよろしくな…きっと、来年も、再来年も…」
彼は涙を流した。
僕はそろそろ走れなくなる。誰もが迎える終わりの時が近いだけのことだ。だけど、もう何年も彼と共に走り抜けてきたから、それが終わるなんてまだ信じられない。だから僕は笑顔でいられる。
さぁ、みんな、いよいよだよ。
今年も聖なる夜にベルの音が響く。

12/21/2022, 12:17:21 PM