面ナシ

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「君は怖がりだね」



※初めて書いたので、文章、構成がおかしい部分があると思います。結構長いです。
※内容がよく分かりません。せんちひのパクリみたいになりました。怖がりってワード全然出てません。

それでも良ければ見てください。





あつい、暑い。この夏は、あとどれだけ続くのだろう。そんなことを考えながら、学校の門をくぐり抜け、帰路についた。田んぼや畑が多く、特に何もない道の途中で、見慣れぬ駄菓子屋に、アイスが売っていることに気づく。その駄菓子屋は、どこか懐かしく、古そうな見た目の駄菓子屋で、言葉を選ばず言うと、小汚かった。
……こんなところに駄菓子屋なんてあったかな。
そう、一瞬考えたが、今、そんなことはどうでもいい。アイスを見ると、なんだか余計に暑くなって汗が滲む。もう我慢はできないと思い、味や値段なんかはよく確認もせず、置いてあるアイスに、手を伸ばしてしまった。そして会計をしようと思ったが、見たところ店員が不在らしい。
「すみませーん」
と、何度か声をかけてみたのだが、反応がない。誰もいないものだから、出てきた時に払えばいいと思って、先にアイスを食べた。…………にしても、遅い。あれから3回程は声をかけたが、無反応なのだ。私だって無銭飲食はしたくない。声が聞こえていないかもしれないし、この暑さじゃあ、暑くて、倒れてしまっているかもしれない。そう思って、店の奥に入ってみることにした。
……今になってなんだが、ずいぶん薄気味悪い店だ。正直入りたくもないが、この際仕方がない。ギイ………と、奥の戸を開けて、中に入ろうと足を踏み出した。その瞬間のことだ、何者かに肩を掴まれる。
私はもう、怖くて、怖くて、動けずにいた。振り向いたら、刺されてしまうんじゃないかと、食われてしまうんじゃないかと、嫌なことを考えた。すると、その何者かがこう言う。
「お客さンかい、いらッしゃい」
この人がここの店員であることに、一先ず安心して、振り向いた。その人は花魁のような格好の人で、綺麗な赤い和服に、きらきらしたかんざし、顔には四角い布が降りて、布の真ん中に目の絵が描いてある。不思議な格好の人だ。
「勝手に入って、すみません…誰もいないのかと思ッて……」
「ンなこたァいいサ、気にしちゃアいない。張り紙もせず出たアタシも悪いしねエ。そンで、そのアイスなら、50円ダよ。」
私は50円ピッタリをこの店員に渡した。すると店員はムム、と言ったような顔で硬貨を見つめた
「……おやア?この通貨はウチじゃ使えねエ。アンタ、どこのモンだい。」
「え、どこって、別に変なものじゃないでしょう?」
「……アア、またか、入り込ンじまッたか……………アンタ、そのアイスの袋に書いてある文字は読めるかい。ソレは、何味ダ?」
「えっと、えっと………」
読めなかった。どう見ても、日本語ではない。日本語なら、どう滲んだってこうはならない。
「ソレ、金ヲ払う前、勝手に食ッたろう。」
「すみません…つい、暑くて…」
「イイヤ、この際、金はどうでもいい。アンタの対処が問題ダ。」
外に出て見てみろ、と促され、一度外に出てみると、そこは、私の知る場所ではなかった。街があり、空は赤く、少し先はお祭りのように賑わっている。
「あの、ここ、どこなんです」
「………少なくとも、アンタの来る場所じゃねエ。」
とにかく、今は怖くて仕方がない、ここはどこなのか、なぜ私はこんなところに?私は帰れるのか?私以外の人は帰れたのか?この人は、人間なのか?そんなことを考えていると、相手が口を開いた。
「今回ばかりは、アタシにも責任がある。アンタを元ノ世界に帰す手伝いヲしてやるよ。」
「…帰れるんですか、わたし」
「分からなイ。アタシはこういうのは初めてダ。周りから話ハよく聞いたけどねエ。」
その返事が、私の不安をより一層加速させる。このあとに説明を受けたのだが、どうやらここは、妖怪の街らしい。特にここは、人型の妖怪が集まっているそう。猫型、奇形などの妖怪なんかもいるが、ここでは観光客か、祭りのとき以外では見ないと言っていた。ついでに、名前を呼べないと不便だからと名前を教えてもらった。カンザキ、というらしい。字も教えてもらったが、よく分からない。先程、手伝いをしてくれると言っていたが、カンザキさんは忙しいそうで、代わりにカンザキさんの店のお手伝いさんと帰る方法を探せと言われた。どこにいるのか尋ねると、たいてい、街の反対にある寺の鳥居の上にいると答えられたので、行ってみることにする。少し歩けばそれはすぐ見えてきて、確認したが、人の姿はどこにもなかった。仕方ないので、もう一度聞きに戻ろうとすると、後ろから
「アナタ、ワタシを探しているンでしょう。」
と一声。私は驚いて、体を揺らしてしまった。振り向いた先にいたのは……人、ではないけど、人。背が高く、女性物の黒い和服を着て、カンザキさんと同じように、顔には四角い布が降りて、目の絵が、縦に描かれている。見ただけでは、女性か男性かわからない。
動揺する私を見て彼は言う。
「フウン……見たところ、ワタシはここに居ると、カンザキさんに言われてきたンだね。あの人は人遣いが荒いなァ、まったく。」
やけに察しがいい。まるで、今までの会話を見ていたかのようだ。私は今の状況をきっちり説明した。
「それで、キミが元の世界に戻る手伝いをして欲しい、と。」
そう言ったあと、あんまり悩むような素振りを見せるので、嫌がられるかと思ったが、案外すんなりと受け入れてくれた。この人の名前はツキというらしく、普段はあの店の番をしたり、ふらっとどこかへ出かけたりしているらしい。店に戻ると、人も多く、騒がしくて、なんの騒ぎかと思っていたら
「今日は祭りだ、キミは何日いられるか分からないのだから、今日くらい楽しんでいけばどうだい。まァ、ワタシたちは行かないけれど。」
と、ツキさんが口にした。どうやら今日は祭りらしい、だからこんなにも騒がしいのか。そう1人で納得してから、一先ずは断った。この世界の常識もわからないし、なにかしてしまった時にでも、食べられてしまうのが怖い。
「ハハ、キミは怖がりだね。では……デエトでもしようか。冗談ダよ。帰る手がかりを探そう。」
明るくそう言ってくれたが、私はなんだかそれが申し訳なくて、謝罪を口にすると
「なアに、問題ない。ワタシからすれば、店をサボる口実が出来たからねエ。」
そう言って笑うツキさんに、こちらも少し元気が出た。
「キミ、元の世界から持ってきたものとかはないのか。何もないンじゃ、ここらを探したってどうにも行かない」
そう言うので、財布と、カバン、教科書、シャーペンなどを出してみた。
「…………ウーン、わからない!こういうときは誰かに聞くのもいいよね。」
ツキさんと私は、そこらの人に何か知らないかを手当たり次第聞いて回った。収穫は特になく、私の心は焦る気持ちでいっぱいだった。
「そう落ち込まないで、数日いれば、どうにかなっているかもしれない。ついでに、あの店の手伝いでもしておけばいいよ」
と、ツキさんは私を慰めてくれる。その言葉が本気だったかは知らないが、少し、カンザキさんの手伝いをすることにした。

そうしてここでの生活にも慣れてきて、それなりに色んな人と交流をして、体感では1ヶ月ほどが経った。空はずっと赤いので、いつ頃朝で、いつ頃夜なのか、分からない。
そんな時に、ツキさんは新しい情報を手に入れてくれたそうで、鳥居で待っていると言われた。そのため、カンザキさんの手伝いを終えた後に向かうことにした。
私に背を向け、鳥居の上に座っている彼は、こう告げた。
「………思い出したんだ、昔のことを。私は昔、人間だった。君と同じだったんだよ。」
彼は私に話す隙を与えずに、話し続ける。
「君が持っていたものにふと、懐かしさというか、興味が湧いてね、本を開いてペンを持って、財布を開いて中身を触って……そうしてると、人間であった時の感覚、記憶が蘇ったんだ。勝手にそんなことをしたのは悪いと思っている。けど、君のおかげで思い出せたんだよ。まぁ………それで、ここからが大切な話なんだけれど、私は昔、元の世界に帰る方法を教えてもらったことがある。それは、代償を払うこと。つまり、君は食べたアイスの金をカンザキさんに返す、それだけでいい。手伝いの分お駄賃は貰っているだろう。それを、カンザキさんにアイス代として渡す、ただそれだけだ。私も一緒に行く。だから、ね。早くカンザキさんのところに。」
「…………ツキさんも、一緒に帰れるんですか」
「帰れるさ、方法がわかったんだからね。」
そう、ツキさんは笑顔で話してくれた。
なんだ、簡単じゃない。私たちは今すぐに帰れる、嬉しい、嬉しい。早く帰ろう……そう思うのに、足がすくんで動けない。いつの間にか、この生活を惜しいと思っている自分がいた。帰りたいはずなのに、帰りたくない。そんな自分がよく分からない。大丈夫、ツキさんも一緒だ、何も怖くない、寂しくない。大丈夫、大丈夫、と、自分に言い聞かせた。そんな私を見て、何を思ったのか。ツキさんに手を引かれて、カンザキさんの元へ行く。
私はカンザキさんに帰る方法がわかったと言って、アイス代を返すと、私の体は徐々に透けていった。
「じゃアね、もう会わないことヲ祈ッてるよ。」
とカンザキさんが送り出してくれる。
ところが、私と違いツキさんの体は透けておらず、ハッキリとそこにあった。私は焦り、ツキさんに問いかける
「一緒に帰れるんじゃないんですか、ツキさん、ねえ」
「……私はね、忘れてしまったんだよ。貰ったものも、その大きさも。だから代償を払えない。そもそも、教えてもらった時に返せていない時点で、相当大きい代償なんだろう。覚えていたって払えやしない。」
「嘘ついたんですか、一緒に帰れるって言ったでしょ」
「そうしないと、君は帰れないと思った。」
「わたし、1人で帰っても、これからどうしたらいいんですか」
「今まで通り、普通に暮らすんだ。大丈夫。」
「いやです、ツキさん、いきたくない、ひとりは怖いよ」

ツキさんは、悲しそうな顔を押し込めて微笑んだ。






「君は怖がりだね。」






あとのことはよく覚えてない。気が付いたときには、帰路に立っていた。あの駄菓子屋はもうない、カンザキさんも……ツキさんも……いない。

アレ?カンザキ…?ツキ…?




私の記憶にあるあなたたちは、一体誰?

3/16/2026, 6:26:59 PM