夜都

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…子猫…

僕は小学六年生 世良優真。

あの雨の日

小さな声で鳴いた 子猫と出会った。

それから毎日会いに行き

次第に両親達に飼っても良いか

相談することにした。

「父さん母さん

お願いです

子猫を飼いたいんです」

息子の僕の頼みなら了承得れると思い

何度もお願いしたが

結局両親達は納得してくれなかった。

その後

僕は両親から子猫と会うことを

禁じられた。

あれから3年後

僕は中学二年になった。

近所に新しい方が引っ越してきて

芹沢さんという方で

そこの娘さんと僕は偶然にも同級生であり

今日は期末テスト前の勉強会をする事になった。

「はい、世良くんお茶をどうぞ。」

「ありがとう。芹沢さん。」

ズズ…とお茶を飲んでると

芹沢さんの部屋にあった

写真立てに

目を向けた。

「…芹沢さん、この写真って…!!」

僕には衝撃だった。何故なら

「あぁこの子猫さんは私が三年前に

拾ったんだけど引っ越す時に

両親に捨てられちゃったの。

当時の私は大反対して大泣きしたんだよね。

だけど後から私の住んでた家の近所の人が

拾ってくれたんだって。

それで私も安心したんだ。」

僕は一瞬泣きそうになったが

何よりも子猫が

無事で嬉しかった。

「そうだったんだね。実は僕も

この子猫を飼うつもりだったんだ。

ちなみにこの写真っていつのか聞いてもいい?」

芹沢さんはうーんと唸りながら

「その拾ってくれた人が一ヶ月に一回

写真を送ってくれるんだけど

この写真は

最近送られてきたばかりの写真だよ。」

と首をかしげる。

僕はますます嬉しくなり

「教えてくれてありがとう!

ねぇ芹沢さん

もし良かったら

また写真を観に来てもいいかな?」

と少し前のめりになりながら尋ねたら

「うん。いいよ!是非是非!」

と笑顔で承諾してくれた。

「「じゃあ約束!!」」

僕と芹沢さんは笑顔で指切りをした。

これは一匹の子猫を繋ぐ物語。

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11/15/2022, 10:20:41 AM