「月が綺麗ですね」
君がふと呟いた。
それは雨のように静かに、私の心に落ちてきた。
当たり前のように紡がれたそれに、思わず頷いた。
「そこは、死んでもいいわ、でしょ?」
そう言って笑う君に、私は笑い返した。
君が、あまりにも爽やかな顔で言ったから。
笑ってしまっても、仕方ないでしょう?
だって、私は、君のこと。
「──────────」
本当は、言うつもりなんてなかった。
一生抱えて、墓場に持っていくつもりだった。
こんなこと言ったって、何も意味は無いから。
でも、君がそんなことを言うなら。
笑って、愛を囁くのなら。
私だって、君に伝えたっていいでしょう?
…私が、君を、嫌いなことを。
今更、そんな戯言を言ったって。
君は、何も変わらない。
更生、そんなの偽りでしょう?
…君が、私を、壊したんだから。
私は、君を許したのに。
君は、知らないフリをして。
全部、無かったことにした。
…だから今度は、私の番。
でも、君は普通が嫌いだから。
なら、最後くらい笑わせてあげる。
君に、良く似合う言葉なはずでしょう?
…わざとらしく、月を見上げて。
…君にも、同じ景色を見せたままで。
…さようなら、最悪で最愛の君。
「月は、綺麗でしたね」
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投稿8 「貴方を愛していたのに」
題:君と見上げる月…🌙
9/15/2025, 10:40:09 AM