毎号ついてくるパーツを組み立てることで自立思考型アンドロイドを作ろう!
という触れ込みの雑誌をご主人が買い続けてくれたおかげで僕はここにいる。
ただ、あまりに膨大なパーツを細分化して販売されていた結果、ご主人は3855号を購入したあたりで遂に破産してしまった。
AIとして必要なパーツは最初の1000号ほどで完成したのだが、
左腕は無く、左脚もパーツが一向に増えないので、木の棒で継ぎ足されている。
衣服で誤魔化されているが外装もほとんど無い。
頭部に至っては創刊号のバインダーを髪の毛のように被せてある有り様だ。
この世界のどこかに、最終巻のパーツまで組み込まれた完全な僕は存在するのだろうか?
差し押さえられた不完全な僕には皆目見当もつかない。
8/31/2024, 12:55:36 PM