蓮池

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月に願いを

小さな星は、冷たく輝く月に恋をした
けれど月は力強い太陽に恋をしていた
太陽の光を浴びて輝く月は、星の恋心に気付かない
どれだけ星が願っても、月はちっとも星を見ない
無数に輝く星のたった一つ、その光はあまりにもちっぽけだった
星は月に見てほしかった
星は強く強く己の身を燃やした

一等輝く星になろう
太陽にだって負けないくらい輝いてみせよう
そうしたら、君は僕に気付いてくれるだろうか

強く強く燃えて、やがて星は燃え尽きて消えた
月は、ずっと太陽を見ていたから
ちっぽけな星のことなんて気付かなかった

5/26/2023, 12:02:24 PM