#37 彼が倒れた。
子猫のように小さく、丸まっている。
少し離れた場所からはそう見えた。
すごく心配になって、駆け寄る。混乱しながらも、彼に声をかけた。それでも、返事はなく、代わりに荒い苦しそうな息が聞こえてくる。うずくまっていて、何かの痛みに必死に、耐えているようだった。
…………自分が発作を起こした時みたい。一瞬、そう思った。
彼の苦しみを自分の頭の中に流れてくるみたいに、詳しく感じるような気がした。少し前、私が苦しんだ時に助けてくれたから、私も助けないと。頭ではわかっているのに、彼が苦しむ姿が少し怖くて、何もできなかった。
その時に先生が来て、すぐに運ばれた。
離れた場所で、運ばれていく彼を見る。スローモーションで、映像が流れているかのようだった。信じられない光景だった。
___子猫
11/15/2022, 11:48:17 AM