家のある縁側で赤く染まった紅葉を眺める
少し前まで、さわやかな緑をしていたと言うのに
四季の感じられる日本ならではの景色
ただの木、しかし季節を感じさせるそれは定年を過ぎた私を感傷的にするには十分だった
木は衣替えをしている一年を通して何度も姿を変え成長する、空に向かい天高く
私も昔はさわやかな若者であり青春を謳歌していたはずだった、若さは何物にも代えがたいものであり今の自分には無いものだ
若さがなければ後は老い死を待つばかり
とても退屈だ
この木もそうだ衣替えをしあとは枯れるのを待つだけのただの物だ
…私は変われただろうか、
木はなにもしなくとも見た目は変わる
私も年を取るとシワなどが増え年相応の見た目になる
でも
ただそれだけ、
意味もなく年をとったのではないか
実り豊かな人生だったか
みてくれだけではわからない
きっと、どこかで気付く
前まで出来たことが年のせいで出来なくなったとき
最近の人と話が合わないこと
食事の量が減ったとき
後輩に敬語を使われたとき
何気ないとき、気付かされてきた
気付きたくなかった
俺は歳をとった
今の私には何があるのだろう、
いや、
違うな
まだ、俺も若いな
こんな事を考えているようじゃ、笑われる
若気の至り
そんな言葉で片付けられるような事
子供のころ一度は通った道
答えは無いのに、何故か考え続けていた
人生の意味
そんなことは死ぬ時の俺に聞くのが一番だ
まだ俺は生きている
俺が死に装束に衣替えする頃にはわかるはずだ
あぁ…
綺麗な秋晴れだ
10/22/2023, 12:08:56 PM