ちか@修行中

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麦わら帽子

日差しが焼けるように熱く、吹く風も熱をはらんでいる。
帽子だけでは足りなかったか。
そう思いつつも足は止めず、被っている麦わら帽子を風に飛ばされないように手で押さえる。
道は黒く熱を持ち、空は雲一つ無い。道の両端に咲く向日葵はギラギラと降り注ぐ光を纏っている。
近所へのお使いにしては過酷である。手にぶら下げた西瓜の紐が食い込んで痛む。その腕も日光を浴びてヒリヒリし始めた。
早く置いて帰ろう。
またも吹いた熱風に対し麦わら帽子を押さえつつ足を早めた。

8/11/2024, 10:23:55 AM