- ̗̀ 一つだけ ̖́-
「もし一つだけ願いが叶うのならばどんな願い事をしますかー?周りのの席の人と話し合ってください。」
(そんなこと考えたって願いが叶うわけないのに。馬鹿馬鹿しい)
「俺はー沙羅ちゃんの彼女になりたーいww」
「お前がなれるわけねぇだろww」 「ガチウケるーw」
「私は女優になって世界で輝こっかなー」「えーじゃあ今のうちにサイン貰わないとww」「きゃー神楽様ー握手してーw」
(どうでもいい。くだらない。叶うわけのない願いを話し合う?本当に馬鹿馬鹿しい)
「あの…」
(うるさい)
「ねぇ雨宮くん」
(うるさい、)
「雨宮くん!」
「うるせぇんだよ!」
.........
「うわー、またあいつキレてるよ…」「なんなの?普通に喋ることも出来ないわけ?」 「雨宮ってさーまともに喋れるのかな」「いや無理無理ww」
(全部聞こえてるっつーの。)
(どいつもこいつも全員消えてしまえばいいのに)
「ねぇ、?」
「……」
「雨宮くんはさ!どんな願い事するの!?」
(なんだこいつ…)
「ってかさーなんでさ七瀬さんって雨宮くんに構ってあげるんだろうねー」「それな?どうせはなしても無駄なのに」「あの子も優等生なのに少し変わってるよねww」「あーちょっと分かるかもw」「ねぇーw聞こえちゃうよ?w」
(全部聞こえてるわ)
(あーこの人七瀬さんって言うんだっけ?確かになんで俺に構うんだろう。時間の無駄なのに。)
「私はね叶えたいことが一つだけあるんだ!」
(はぁ。うるさいな。)
「私の願いは、雨宮くんの世界を見てみたい。」
「……は、?」
俺の人生はその瞬間。彼女の一言で変わった。
続く
4/3/2024, 3:30:43 PM