「…いったい何が悪かったのかな…」
夕暮れ時の某カラオケ店。
そこで大量に買ったグッズの開封の儀を行っていた友人は、あらかた開けきったあとでそうぼやいた。
「ねぇ、あなたとわたし同じだったよね…?」
「いや、まあ…うん」
「だったらなんでぇ…?!」
「なんでと言われてもこればっかりはねぇ?」
絶望するのも無理はない。
いくつもバイトを掛け持ちして、一生懸命ためたお金でグッズを購入したのにも関わらず、ひとつとして彼女の推しが出なかったのだ。
かくいう私は購入した半分以上が推しだったというミラクル。
怨まれるのも仕方ない。
「こんなに愛を積んでるのに…!!」
「あー…、たぶんあれだ。
その愛の重さに世界が追いつけてないんだよきっと」
知らんけど。
11/7/2023, 11:55:30 AM