あの時、私は
あなたの大袈裟な反応にしかめ面しながら
素直に布団に押し込まれて
欲しいものの問いにプリンと返して
ドアを閉じる音を見送った
柄にもなく頭を撫でた
あなたのせいで熱が上がって
プリンもゼリーも買ってきた
あなたのおかげで熱が冷めたの
そんなこと思い出しながら今、私は
平気な顔してお勤めに向かって
勿論平気なままで帰ってきて
自分で布団に包まって
帰り道買ったちょっといいプリンを頬張る
これくらい大したことないわって
意気込んで熱をあげて
誰にも気づかれないのねって
寂しさに少しだけ熱を覚まして
強いって、さみしいなって
あなたにもらったプリンがおいしかったって
布団の中の世界で、今日だけは泣いてしまおう
『微熱』2023/11/2710
11/26/2023, 3:17:46 PM