脳裏甦る過去が今を苦しめる。冬の匂いにも夏の蝉が鳴いている、そんな情景が重なって目眩を覚え耳を塞ぎ暗闇に伏せた。記憶なんて要らない、大事なものも作りたくない。蹲ったまま立とうした脚が震え増す一方の脳裏には、暖炉に飛び込もうとする独りの男の子。それは翌日になっても自分だということに知る事無く終わりを迎えた。
11/9/2023, 11:57:02 AM