ジロ

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『 あの頃の
     不安だった私へ 』


おかんが珍しくご飯の炊き方を説明したその次の日、おかんは家からいなくなった。

高校生で部活中だった自分の元に家族からの連絡があって、その当時は携帯電話など無かったから、学校の公衆電話から家にかけ返す。

慌てた様子で話す家族に
すぐ帰るとだけ告げて電話を切る。


今まで楽しそうな顔をしていた自分の
変わった表情を見た先生や、友達は
その異変に言葉も無く
自分は、先に帰宅する。


大学や、専門学校への推薦の話が進む中
おかんの家出によって、自分の進路は無くなったと思った。

それからは、学校へ行く事よりも
働く事に思考が変わり
進学が出来ないのなら、学校へ行っても
何の意味もないと高校3年生の夏休みを境に学校も行かなくなった。


人より早く社会人となり
ちゃんと自立出来るのか
不安でいっぱいだった。



それからどれくらい経った頃だろうか

今までの出会いやいまの生活は
その経験をしてきたからこその出会いだったと思うようになった時に
不安よりも納得出来た自分がいた。



あの頃の不安だった私へ…


どんな事があってもちゃんと
幸せに過ごせるようになるって当時の自分に伝えたいな。







5/24/2022, 10:50:15 AM