やっと出会えた僕の天使が死んだ。うっすら青みがかりはじめた乳白の頬はすんでのところで皮の向けた桃のような感触を保っている。僕の理想郷、僕の幻想、僕の芸術、僕の少年。これがただの物体と化すまでは僕のそばで眠るが良い。そのときが来たら、そのときは。ふたたび僕の元へ舞い降りることを祈りながら、その骨片を海に還すことにしよう。月を映す夜の海か、太陽を散りばめた昼の海か。僕の天使に相応しいそれを思いながら、今日も僕は僕だけの天使の横でじぃっとその頬を見つめていよう。ただの物体になったそれに対する酔狂を忘れぬように。
8/24/2024, 2:41:06 AM