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生まれてからはじめての冬、わたしは風邪をこじらせて緊急手術を受けていた。その冬はとても寒く、滅多に雪の積もらない地元も夜には真っ白になっていて、母と私の帰りを家で待っていた父と兄は2人で雪だるまを作ったらしい。父母雪だるまと、兄雪だるまと、小さいわたしの雪だるま。朝になるとよっつの雪だるまはすっかり溶けていて、それを見た兄は「○○(わたしの名前)が消えちゃう」と一日中泣いていたそうだ。兄は当時5歳だったけれど、生まれたばかりの妹がもしかしたら...と不安だったのかもしれない。そのあと、兄はわたしが12歳の時に灰になって、わたしはメンタルクリニックに通いながら今もなんとか一人暮らしをしながら生きている。無口だった兄との思い出は数えるほどしかなくて、それでもわたしを思って一日中泣いてくれるような人がかつていたことは多分死ぬまで雪が降るたび思い出して、忘れられないんだろう。

12/15/2023, 2:38:07 PM