雨の中佇んでいたらビチャビチャになった。
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学校が終わった時に急に雨が降り始めた。
折畳み傘を常備していた僕はリュックから傘を取り出し一人で帰っていた。
雨の音を聞きながら時々すれ違う近所の人に挨拶をしていた。
暫く歩いていると誰からか電話が鳴った。
確認するとみっつ下の妹からだった。
いつも通り、なにかの頼み事だろうと思い切ろうとしたが何故か今日はそんな気がしなかった。
頭の中で嫌な予感が走り、直ぐ様電話に出た。
「どうした?」
電話の向こうで妹が泣く声が微かに聞こえた。
「落ち着いて?何があったか話して」
「おか...さんが、事故....にあって...意識不明の重体で」
その瞬間手から傘が滑り落ちた。
「そう...か、直ぐ行く待ってろ」
「うん」
妹との会話が終わると電話を切った。
其の場にしゃがみこんだ。
雨とともに自分の頬からは涙が溢れ出ていた。
抑えようと何度も、何度も、自分の涙を拭き続けた。
けれど、涙が止まることはなかった。
# 106
8/27/2023, 2:21:55 PM