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一雨来そう……。
桜かすみは、書店に入った。
こじんまりした、小さな書店だった。私のお気に入り💕
学校の帰りに寄り道するのが私の密かな楽しみなの。うふふ。

大好きなライトノベルのコーナーに行き読むうとしたら、
先客がいた。クラスメイトの谷川れいん君だった。
知的で何を考えているのか、私には何時も検討がつかない。
でも、何だか気付けば彼を視線で追う私がいます。
気になっているのかな……、私。トクン。甘く鼓動が跳ねた。
話しかけてみようかな〜。あっ、私の好きな作家さんの本だぁ~。
『谷川れいん君、こんにちは……。』
『クククッ、フルネームかよ。』
と、言われた。
『桜も本が好きなのか〜??見えないなぁ〜』と、小馬鹿にした。
『ごめんねぇ〜』と、私は、あかんべえ〜をした。
『私、その作家さんが大好きなんだ。^_^♫』と、私は言った。
『来月、新刊が出るって、しおりに書いてあったぞぉ〜。』
『わぁ〜、楽しみだな〜(*´∀`*)💛』
『帰りに、予約をして帰ろう♫』と、私は言った。
『谷川れいん君、ありがとう〜。(≧∇≦)』と、私は、言った。
ゴロゴロと、不穏な音を立てて夕立が来た。
バリバリと、空を割るような、雷鳴までーー。
書店のおじさんが、『雷が墜ちたかな〜』と、呟いた。
私は、谷川れいん君のいつの間に、袖を握っていた。
いつの間にか、雨が音を立ててザーと、降り出した。
『谷川君ごめんなさい……。』と、私は、謝った。(;_;)
『大丈夫、夕立だから。』と、谷川れいん君は、言った。
私は、袖を離した。
谷川れいん君は、すましたような顔で。微笑んだ気がした。
『あっ、私、おじさんにさっきの作家さんの本を予約してから帰るから』と、踵を返した。
 外は、小雨になっていた。おつりのような雫が額に落ちた。
谷川れいん君は、ちょっと前に帰って行った。
空が明るくなって来た。

 『リハトさん、ありがとう。』私の初恋で、最後の恋だ……。
天使見習いのリハトさんに、私の初恋の想い出をリモートで見せてもらった。
『桜かすみさん、元気出して下さいね。』
『こんなで、良かったら、いつでも、見せますからね。^_^♫』と、リハトさんは、言った。
胸の中が、切ないな〜(´;ω;`)……、。『もっと、いっぱい恋すればよかったな〜。』
と、呟いた。下界は、秋なんだ……。私は、センチメタルになっていた。
『お〜い、リハト。手伝ってくれや〜〜』と、リハトさんの指導の先生が呼んだ。
リハトさんは、心配そうな顔で、私を見詰めていた。私は、微笑ってみせた。
『はーい、今、行きま〜す。』とリハトさんは、返事をした。
終わり

9/28/2023, 6:17:01 AM