おまえの死体

Open App

絆とはなんだろう。
私には13年仲のいい幼馴染がいる。彼女にだけはそういう仕事をしていること、ホストクラブに通いっていたこと、全て伝えている。
新宿に住む前日2人で河川敷を歩きながらふと私は伝えた
「明日からさ新宿住むんだ。暫くこっちには帰って来れなさそうでさ。風俗やらされるんだよね、笑」

彼女は少し悲しそうな顔をしていた。
約束したことがある。
辛くなったらLINEをしてくること。逃げたくなったら帰ってくること。
2つの約束を交わし、次の日から私は新宿に染まった。

ホス狂はもう辞めた。それでも金銭感覚は戻らず風俗を続けている。
ホストクラブに通うのをやめて、残ったのは薄汚れた体だけだった。あの時に結婚しようと親にまで会わせてくれた彼とは勿論結婚なんかしていない。


担当だった君。
ヒモとして養っていたあの人。
頑なにお店には呼ばず本カノを貫いてくれたあの人。
スカウトマンなのに体を売ることを許してくれなかったあの人。

皆関係は切れてしまったけど、あの時の数ヶ月は確実に絆があった。
正しくはそう思いたいだけ、なんですけどね。


お金って、お金を通した愛って、人工甘味料みたいなんですよ。甘くて甘くて、嘘の甘さだと知っててもまた欲しくなっちゃう。
その甘さに酔っていたあの期間の没入感と言えば堪らないですよね。
VRのAVみたい。

あの時に書いた君との物語は甘くてものすごく苦くて、色鮮やかだった。

3/6/2024, 6:30:16 PM