『大地に寝転び、雲が流れる…』
その昔、宝塚のある男役さんのことを、他の男役さんが「流れる雲を眺めていたら、そのままひっくり返って、大の字になってまだ眺めているような」雰囲気と評されていて、なんとも的を射てると納得した思い出があるのですが、今でも雲を眺めるとふとそのことを思い出します。
唐突ですけど、雲、眺めてますか?
私は割と眺めてます。
趣味・散歩の私としては、歩きながら1日1回、空の写真を撮るようにしているのですが、その時その時で本当に表情が違います。
今日の夕方は、雲多めで夕陽のグラデーションが素敵でした。
そんな雲の流れを表す四文字熟語に『行雲流水』があります。
行く雲や流れる水のように、自然に逆らわす淡々と行く、という意味らしいのです。
「水の流れのような」という言葉もあり、私はこれを常にフラットな精神状態だと思っていたのです。
でも、ある先生の言葉にハッとしました。
曰く。
水の流れはいつもいつも一定では無い。
滔々と緩やかに流れる時も有れば、瀑布のように激しい時もある。
人も同じだ。
大らかに皆を包み込む様な時も有れば、正義を叫ぶ時には激しく声を上げなくてはいけない。
臆病ではいけない。
穏やかにと、見て見ぬふりは違うんですよね。
軋轢を起こさないようにって気を使ってる振りして、ただ自分が悪く言われないように臆病風に逃げ腰になっている時もあったりして。
その反対に、つまらないことでキレちゃう時もあるし。
なかなか、人間とは難しい生き物です。
だからこそ、人間。
そこを悟ったら仏様だから、もうこの世からオサラバしなきゃなんない、なんて事も言われているそうなんで、まだまだ藻掻くしか無いようですが。
せっかくだから今日も映画の話を少し。
『大河への道』
ご覧になりましたか?
昨年だか、一昨年だかの作品。
日本地図を作った伊能忠敬を大河ドラマの主人公に、それで村おこしをしようとするお話です。
中井貴一さんや、北川景子さん、松山ケンイチさん等々、出演者の皆さんが現代と伊能忠敬の時代との二役をされていて豪華でした。
海の美しさ、雲の流れる空の雄大さ。
途中、草刈正雄さん演じる将軍様が思わず零す言の葉。
「余の国は美しいのう」
激しく同意してしまいました。
もしどこかで見られたら、是非。
5/4/2023, 2:47:47 PM