物心ついたときには
打たれ 蹴られ 殴られ 叩かれ
価値がないのだと刻みつけられるように執拗に
毎日毎日毎日毎日
奴隷のように地に這いつくばり
生きながら死んでいた
救いは突然現れた
男は狭い世界から連れ出してくれた
籠の鳥 君は美しい もっと自由でいいのだと
知識を 生きるすべを
彼は必要なことは全部教えてくれた
褒められることはあっても怒られることはなく
慈しまれ はじめて愛されることを知った
「次は君の番だ」
「うん 頑張るね」
彼が私を連れ出してくれたときのように
私の足元には赤くキレイな水たまり
醜いものはここにはいらない
すべて赤く美しく
「生も死も美しいものだ 芸術のように」
「醜いものも死すればすべて美しい」
男の言葉は少女のすべて
少女にとって彼は" 神様 "なのだ
たとえそれが…間違いだったとしても
4/22/2023, 3:03:51 PM