寒さが身に染みて
朝起きて布団を捲ると寒さが身に染みて、冬の狂気を知る。凛と世界が澄むこの季節は好きだけれど、指の先をじんと痺れさせるこの感覚には、何度季節を繰り返しても慣れないのだろう。
ぱちりと目を覚ますと、壁があった。肌があたたかいぬくもりに触れていて、少し首を傾けて上を向くと、伏せられた睫毛。すう、と冬の空気は鮮明に、小さな寝息すら耳に届ける。すいと顎のラインを撫でてみる。あどけない寝顔は変わらず、瞳の奥の青色は隠されたまま。ああ、やさしさが、いとしさが、こんなにもちかくで形を成している。
1/11/2023, 10:31:26 AM