塵芥 椎歌

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沈む夕日を見る事も無い毎日は
下らない。

窓の外の明るさを見て
「あぁ、朝が来たなぁ。」

窓の外が暗くなってきたら
「あぁ、今日も憂鬱だなぁ。」

そんな日々の繰り返し。

煙草の本数がいつの間にか増えている。
幸はお酒がアレルギーで飲めないだけ。

「気にしないなら、飲めるけど。」

画面の中の
ボニーとクライド。

「愉しそうだなぁ。」

最期のシーンで
そう思ってしまった。

余談。
本日のマニキュアは青。
ペディキュアは赤。


相反、矛盾を抱えて
沈む夕日を見た所で
今、私が何を想うかなんて
私も分からない。

ただ、泣くだろうとだけは
何だか分かる。


然し女として
最も下らないのは
「男」と云う
理解不能な生き物が発する言語なのだ。


泣く理由を聞く貴方の事を
野暮だと今日も言うだけ。

何度言っても
沈む夕日と同じく
何度も聞かれる。

結果も理由も其処には
無いのに。

面倒だなぁ。

現れては消える。
どの命も
どんな夕日も等しく。

其れだけが確か。
其れだけの話。

夕日に似た火に
煙草を翳す。


「野暮で面倒だ。」





題 沈む夕日
著 塵芥詩歌

4/7/2024, 9:14:26 PM