大好きな君に、この歌を届けよう。
ありふれたミュージシャンはそう歌にする。
愛を知らない私は、その行為をとても独り善がりだと思う。
それでも街の人たちはその歌に感動して、思い思いの恋人を思い浮かべるのだ。
バカバカしい。
その電子に焼かれた陳腐な曲が街中に溢れて、今日も私は居心地が悪くなる。
私はそっと逃げるようにその場を離れて、自分のイヤホンを手に取るのだ。
ーーでも、別のものとはいえ何かに共感を求めてる姿は結局同じか。
つくづく自分と人間の性に嫌になりながらも、プレイリストをクリックするのだ。
3/5/2023, 3:50:47 AM