「秋ですなぁ…」
時刻は夕暮れ。
辺り一帯のススキの草原は、夕日に照らされて赤く色づいている。
「いやぁ、きれいだねぇ」
「黄昏れてるとこ悪いんだけどさぁ」
「うん?」
「ここはどこ?」
「…………………………………ドコダロウネ?」
そう、私達はいま見知らぬ土地にいる。
道に迷ったというわけではなく、気がついたらここにいた。
まるで異世界転移したかのように。
「さっきまで普通に道歩いてたのになんで?」
「気づかないうちに迷い込んじゃっただけかもだよ?ね?」
「気づかないわけないでしょ!さっきまで朝だったじゃん!午前10時!見てみなよこの景色!明らかに夕方じゃん!!」
「とっ、とりあえずさ、ここらへん探検してみようよ!案外すぐもといた道に戻れるかもよ!」
…まかり間違って本当に異世界だったら話は別だけど。
11/10/2023, 11:17:40 AM