Alice

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【遠い約束】

六年前、親友との約束。

私も親友も別々の場所で働くことになり、会えることもなくなるからと2人で決めた約束。

もし、29までに結婚できなかったらこの丘の大木の下に来ること。


彼女の誕生日から一週間経ったが、一向に姿がない。

そういうことなのだろう。







今なら言えるが、私は親友が、、いや彼女が好きだった。

一度も彼女のことを親友だと思ったことはない。

ずっと、私にとっては好きな人だった。

約束を交わした日から六年。

彼女のことを忘れたことはない。

あわよくば、自分の恋人として。

それが無理なら誰とも結ばれてほしくなかった。

酷いことを思っているのはわかっている。

ただ、今だけはこの行き場のない気持ちを吐き出させてほしい。

六年しか経っていないのに遠い昔の話のように感じてしまう。

彼女を忘れ去れた頃は私は果たして幸せなのだろうか。



4/8/2025, 1:23:39 PM