夜明け前 この家の夜が明けたことなど、一度もない。 いつまでも喧嘩の騒音が続き、眠れぬまま出勤。 夜が明けることなど、あるわけがないのだ。 夜明け前、というからには明けることが決まっているのかもしれない。 それはいつかは明けるかもしれないけれど、三時間か四時間も我慢した果てのことで、いつでも夜明けが決まっているわけではない。 心にどんよりと薄雲を纏いながら、それでも明けるかもしれない夜に諦めの色を乗せ、瞼を伏せた。
9/14/2023, 9:10:59 AM