帰りの電車で、隣のカップルが話していた。私、お父さんいないんだよね。なんか、事故で死んじゃったらしい。だから顔も知らないんだよね。彼女の方が言っていた。私は本を読みながらも、色々と考えてしまった。だけど、そういう話をできる人がいることを、少し羨ましく思った。私が降りる一つ前の駅で、彼らは相合傘をしながら帰っていった。最後の駅までの道のりは長かった。窓は曇っていた。
6/19/2023, 11:05:56 AM