お題 秋風
秋風。単に秋に吹く風だと思っていたが、実は検索してみたら違う意味を見つけた。
それは「秋」を「飽き」とかけ、男女の恋が冷めていくさまという意味にもなるらしい。
「女心と秋の空」から通じていくような。
そう、俺は昨日フラレたばかり。一時の気の迷いとかなんとか言われて。
全く以って女心は解らない。突然木枯らしが吹き荒れるように、彼女は俺の元を去っていった。
彼女はこう言い放ったのだ。
「あなたは私の事なんてちっとも理解出来ないんだから」
理解なんて出来ないよ。俺は俺であって彼女じゃない。彼女だって俺じゃない。ましてや男と女なんだし、理解不能に決まってる。
彼女の飽きっぽさ、気の変わりようときたら、俺は常に振り回されっぱなしだった。
良く言えば天真爛漫、だが我儘し放題の悪女だった。
俺の見る目が悪かった。そうとしか思えない。
そんな事をぐだぐだ考える俺に、木枯らしが勢いよく吹きつけた。秋風な恋なんてたくさんだ。
11/14/2023, 1:59:33 PM