その日は部屋で優雅に本を読んでいた…のに、昨日の僕が来たせいでその空間はぶち壊された。
「やっほー!明日の自分!明日は楽しみかい?」
適当に、対応しとくか。
「そう言うあなたは昨日はどうでしたか?」
そう言うと笑顔で言った。
「もちろん楽しくなかった!」
楽しくないのに明るく振る舞ってるのですか…。
この僕は馬鹿なのでしょうか。
「ねっ、僕が心の中に秘めていることがバレないように明日の僕は、なるべく明るく振る舞ってね!」
えっ…面倒くさい。
「何その顔〜!全く僕はほんと僕だね!」
「すみません、そろそろ時間なのでさっさっと消えてくれると有り難いです」
「あっ、傷ついた…。はぁ、さっきの約束引き受けないつもりなら、ずっとここにいる。」
昨日の僕は部屋の角に座って俯いていた。
「え"っ……わかりました!」
そう言うと満面の笑みと少し入り混じった悪い顔を最後に、昨日の自分は消えた。
……嵌められた。
仕方無いなぁ。
「さて、明日の僕は頑張りましょうか」
昨日の僕は、また出番が出るまでさよなら。
また、会えるといいね。
……数年後
「やぁ、僕また会ったね!」
「僕は全員僕だけどそのテンションからしてあのときの僕かな?」
「あはは〜!その塩対応変わらないね!」
「で?次はなんですか?」
そう言うとニコニコしていつまで経っても答えないため
予想がついた。
「まさか…」
「YES!そのまさか、さ!」
「引き受けるのに変わりはありませんが、あの時は嵌めたことに関しては一発殴らせてください」
「待って怖い怖い」
割と根に持つタイプだからね、一回殴らせてもらわないと、ね…落ち着かない。
「覚悟は?」
笑顔で僕は言った。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ」
さぁ、また明日も頑張りましょう。
# 10
5/22/2023, 12:03:19 PM