【束の間の休息】
ふぅ、とひとつ息を吐く。吐かれた息は無色のまま空気に溶けた。
「お疲れ?」
隣に座っていた恋人がそう言った。その優しい声色に、疲労で重くなっていた身体が少し軽くなった気がした。
「うん、ちょっとね」
「そっか。毎日お疲れ様」
恋人はその大きな手で私の肩を優しく抱き、そっと自分の方に引き寄せた。彼の肩にことんと頭を預ければ、肩にあった手が私の頭を優しく撫でてくれた。
今日は週の真ん中で、今月としてはまだ始まったばかり。忙しい日々は続くけれど、この束の間の休息があるから、私は今日も頑張ることができる。
10/9/2024, 6:24:57 AM